第2回目は、「川崎重工業」におけるクライマックス作業、通称「台入れ」をリポートします。
3月初頭の寒い朝。「トワイライトエクスプレス」の伝統を受け継いだ「瑞風グリーン」の車体には、エクステリア担当の福田哲夫先生がこだわりの「金色のライン」が装着されていました。これから、その車体と台車の接続作業が始まります。
台車とは、走行するための装置をすべて乗せた足回りのことで、車両とは別に作られます。1台5400kgもの重さがある台車が2基。それぞれがゆっくりと、仮置きされた車両の下に押し出されました。担当者が互いに声を掛け合って位置を微調整しつつ、慎重に接続作業が進められていきます。その様子を見守る「川崎重工業」艤装課の徳田さんにお話を伺いました。
徳田さんのチームはこれまで主に新幹線を製造してきました。その豊富な経験からしても、「瑞風」の台車は「アクティブサスペンションの採用など新幹線に負けないような乗り心地を追求した、まさにスペシャル級と言えるのではないでしょうか。私たちにとっても思い入れ深い車両になりました」と目を細めます。
「川崎重工業」で製造している車両は、ほぼ「瑞風グリーン」の塗装が完了し、そのメタリック感は光を浴びるとより一層の輝きを見せます。山紫水明の地を優雅に走る姿はさぞ美しいことでしょう。
この日は車両内部も視察。広々とした客室配置や装備の重厚さはもちろんのこと、特に目を瞠らされたのが窓の大きさです。この大きな車窓から眺める瀬戸内海は、宍道湖の夕日は…ダイナミックな光景を想像するだけでも心が逸ります。
すべてにおいて特別。そんな表現が似合う「瑞風」。まもなく「川崎重工業」で製造している車両については作業を終え、いよいよ内装工程に移ります。